インドとドイツ、防衛協力協定で戦略的連携を強化

インドとドイツ、防衛協力協定で戦略的連携を強化

マンディープ・シン(Mandeep Singh

2019年2月12日にベルリンで行われたインドのナーマラ・シサラマン(Nirmala Sitharaman )国防相とドイツのウルズラ・フォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen)国防相との会談において待望の独印防衛協力協定が締結されたことで、両国の戦略的提携により強力な要素が加わった。

同会談はシサラマン印国防相による2日間のドイツ訪問の一環として行われたもので、同印国防相は同地で防衛産業の指導者等とも会い、ドイツ外交問題評議会(German Council on Foreign Relations)で演説も行っている。

印国防省からの声明によると、「防衛強化と防衛産業の協力に関する協定の導入」と称される同協定は、「軍と軍の関係だけでなく、防衛産業とR&D [研究開発] の連携をさらに強化する」ものとなる。(写真:ウルズラ・フォン・デア・ライエン独国防相と握手するナーマラ・シサラマン印国防相(左))

両国防相はこの2ヵ国間の防衛連携を独印戦略的提携の「重要な側面」と表現していると、インド側の声明は独国防省の声明に相槌を打っている。

「両国は20年近く前から戦略的提携を結んでおり、これは着実に進展している」とするドイツ側の声明は、「サイバー政策やテロ対策などの課題に関する定期的な情報交換に加えて、ドイツとインドの兵士が関与するレバノン、南スーダン、リビア、西サハラにおける国連ミッションと並行して、安保政策の分野における協力が強化される」と説明している。

独印政府は2000年5月に「21世紀の独印提携の議題(Agenda for the Indo-German Partnership in the 21st Century)」を採択することで戦略的提携を確立している。2017年5月、「サイバー政策における独印協力の共同声明(Joint Declaration of Intent on German-Indian Cooperation on Cyber Policy)」が締結されたことで、年次独印サイバー協議が形式化されており、両政府は同年に、テロ対策共同活動部会の定例会議の開催にも合意している。

印国防省によると、シサラマン印国防相はドイツの実業家等との会談の席でインドの防衛企業の指導者等とも交流し、2014年にナレンドラ・モディ印首相が自国の製造業と海外直接投資を推進することを目的として開始した「インドでモノづくりを(Make in India)」イニシアチブの枠組に基づき防衛製造における協力を拡大するよう両産業グループに呼びかけた。

両産業グループにとって関心が深い事柄はインド軍の近代化ニーズであり、それには6基のディーゼル電気潜水艦が含まれ、2019年初旬に印国防省が調達を承認した非大気依存推進(AIP)を搭載している。この買収の推定額は5,500億円(55億米ドル)以上にもなる。ドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズ(ThyssenKrupp Marine Systems)が第一選択の供給元と考えられているようだが、スウェーデン、フランス、ロシアの企業も検討されている。

非大気依存推進技術により、在来型潜水艦の48時間よりもはるかに長い2週間のディーゼル電気潜水艦の連続潜航が可能となる。「インドでモノづくりを」政策に従うのであれば、インドの造船所でほとんどの製造を行う必要がある。

ドイツ外交問題評議会での演説で、シサラマン印国防相はインドの防衛優先事項と従事について話し、「安全で安定した平和な環境に貢献し、すべての人々がさらなる繁栄を実現できるようにすることを目的として」、インドとドイツが「戦略的課題に関する評価の共通性を確立し、法治に基づく世界秩序を強化するために協力すること」の必要性を強調している。

マンディープ・シンはインド・ニューデリー発信のFORUM寄稿者

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