極寒の下、能力を磨く大韓民国国軍

極寒の下、能力を磨く大韓民国国軍

フェリックス・キム(Felix Kim

最も過酷な気象条件の下、その戦闘能力と軍の即応能力を磨く大韓民国国軍。冬は氷点下となる韓国では、同国軍にとってその季節の訓練は厳しいものとなる。

2018年12月から2019年1月にかけて、多くの部隊がさまざまな訓練に励んだ。「最悪の状況下でも、各部隊が同等の任務遂行能力を確実に備えるため」に、兵士と水兵が厳格で激しい極寒訓練に参加している。「極寒に耐えながら、各部隊はその任務に合わせた特有の訓練に参加して戦闘力強化に専念している」と、韓国国防部(MND)のニュースリリースが伝えている。

標高1,600メートルの太白山(Taebaeksan)にちなんで命名された大韓民国陸軍の太白山部隊は、2019年1月下旬、海抜1,000メートルの高度でUH-60ヘリコプター2機を使ってヘリからの急速な懸垂下降訓練を実施した。第11機械化軍団は、自軍のK1とK2戦車およびK21歩兵戦闘車とK200装甲兵員輸送車を用いて冬の戦闘訓練を展開した。訓練では3,000台の装甲車両が使用されている。

一方、氷点下の気温に耐えながら、韓国南部の江原道に所在する麟蹄(Inje)エンジニア訓練施設で訓練を受けた同陸軍の第3工兵隊の兵士等は、積載・荷下訓練に従事し、戦闘環境で破壊された橋を再建する作業を行っている。(写真:凍った洪川で戦車を操縦する大韓民国陸軍第11軍団の兵士等)

大韓民国海軍も江原道で極寒条件下における戦闘能力をテストした。韓国に所在する建陽大学校(Konyang University)のイ・ジョンホ(Lee Jong-ho)軍事科学教授は、「冬場の訓練は厳しく、危険が伴う」とFORUMに説明した上で、「しかし、これは軍隊の準備態勢を維持するために非常に重要である」と指摘している。

1953年の朝鮮戦争休戦協定による停戦後、最近では緊張がやや緩和しているとは言え、厳密に言えば、南北朝鮮は依然として戦争状態にある。それゆえ、冬季訓練に関しては、北朝鮮の軍事力が韓国国防部の最大の考慮事項となると、イ・ジョンホ教授は説明している。

同教授はまた、「北朝鮮では非常に厳しい冬季訓練が実施されている」とし、「同国の場合、春から秋にかけて多くの兵士が農業に従事する。そのため、朝鮮人民軍が厳しい訓練を行う上で冬は最も適切な季節である。ここ韓国でも、非常に厳格な冬季訓練を行う必要がある」と述べている。

韓国独自の近代化により、冬季訓練の有効性が高まっただけでなく、安全性も改善されたと、同教授は付け加えている。これまでは、厳寒により時には訓練で兵士が死亡したり、凍傷にかかる事例があった。

同教授は、「貧弱な車両や設備により頻繁に事故が発生し、山岳地帯や険しい地域で訓練が実施される場合には時には深刻な死傷事故が起きていた。しかし、最近では設備が改善され、事故数が減少している。とは言え、依然として危険性は高く、設備をもっと改良する必要がある。冬季訓練は設備の欠陥を発見し、軍隊の準備態勢をテストする良好な機会となる」と説明している。
フェリックス・キムは、韓国ソウル発信のFORUM寄稿者

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