調査報告:中国の投資を恐れる東南アジア諸国

調査報告:中国の投資を恐れる東南アジア諸国

FORUM スタッフ

新たな調査で、中華人民共和国(中国)の「一帯一路」政策より多額の援助金を得ている東南アジア諸国の人々は、中国政府を信用しておらず、自国が管理不能な債務危機に陥ることを恐れていることが分かった。

この調査は、インスティテュート・オブ・サウスイースト・アジアン・スタディーズ(ISEAS-Yusof Ishak Institute) によって2019年1月7日に発表され、東南アジア諸国連盟 (ASEAN)に属する10カ国、1,008人を対象に実施された。回答者は、政府、研究/教育機関、民間企業、市民社会、メディアに勤務する人々である。

この調査では、回答者の約70%が「中国との持続不可能な金融債務の発生を避けるため」、政府は一帯一路プロジェクトの交渉に慎重に当たるべきであるとの見解を示していることが明らかになった。この具体的な懸念は、すべてのASEAN加盟国において顕著に見られたが、特にマレーシア (84.2%)、フィリピン (78.6%)、タイ(72.7%)、インドネシア (72.6%) 及びカンボジア (70.8%) において強い傾向がみられた。

累積債務の結果と中国の動機に対して増大する懸念の例は枚挙に暇がない。例えば2012年、当時のスリランカのマヒンダ・ラジャパクサ大統領は、野心的なハンバントタ港プロジェクトの資金を中国側に融資するよう求めた。しかしラジャパクサ氏は2015年、選挙によって退職に追い込まれ、スリランカ新政府は中国側に債務を支払う苦労を強いられた。債務者からの圧力の下、スリランカは2017年12月に中国に港とその周辺の土地を差し出すこととなる。

マレーシアはまた、国内における中国のインフラプロジェクトの事業実現性に対する懸念を示している。2018年8月、マレーシアの首相は中国からの多額の借款で自国経済が壊滅することを避けるため、20億ドルのプロジェクトを中止した。

マハティール・ビン・モハマド首相は、200億ドルの鉄道ネットワークと、合計23億ドル相当の2つのガスパイプラインプロジェクトを中止する決断に至った。AP通信によるとモハマド首相は「わが国では返済できる余裕もないほどの大量の資金が貸与されようとしていたこと、加えて現時点ではマレーシアではこれらのプロジェクトを必要としていないことに由来する措置である」と語っている。

ミャンマーはまた中国に対する重すぎる債務の負担を恐れ、ラカイン州の70億ドル相当の港湾プロジェクトを縮小した。両国家は2018年11月に最初のフェーズで13億ドルまでプロジェクトのコストを削減して進めることで妥協し、協定を締結している。(写真:中国習近平国家主席の一帯一路政策を推進する政府広告の横を通りすぎる北京男性)

回答者は一帯一路政策を、中国が自国利益のためにアジア地域で権力を行使する手段と見なしていると述べている。「友好的かつ慈善的権力」として中国を見なしている回答者は10人に1人にも満たなかった。回答者の半数近くが、中国政府は「東南アジアを影響範囲に変える意図を持つ修正論者的権力」であると答えている。

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