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米比の約束:「フィリピンは米国が守る」

FORUMスタッフ 2019年2月下旬、米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は、南シナ海における紛争の激しい海域でフィリピンの艦船や航空機が攻撃を受けた場合、フィリピンを米国が防衛すると約束した。 中華人民共和国(中国)は南シナ海にある一部の島を軍事化し、人工島を建設して他の前哨基地を設置している。マニラで開催されたフィリピン当局との共同記者会見で、こうした行為はフィリピンを危険に曝すものであると、ポンペオ米国務長官は語っている。 ワシントン・ポスト紙によると、同国務長官は、「中国による南シナ海での人工島建設と軍事活動は、フィリピンだけでなく、米国の主権、安保、経済生活を脅かしている」と説明した上で、「南シナ海は太平洋の一部であるため、南シナ海においてフィリピンの軍、航空機、公船に対する武力攻撃が行われた場合には、米比相互防衛条約の第4条に基づき、相互防衛義務を発動する」と明言している。 アジア海洋透明性イニシアチブ(AMTI)による2019年2月の報告書は、米国が中国の武力行使や圧力戦術を懸念する理由を指摘している。報告書によれば、中国は約100隻の艦隊を送り、南沙諸島におけるフィリピンの建設作業を妨害している。 AP通信が報じたところでは、ポンペオ米国務長官との共同記者会見においてフィリピンのテオドロ・ロクシン・ジュニア(Teodoro Locsin Jr.)外相は、米国務長官とドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)比大統領に対して防衛を約束したことでフィリピンは安心感を高めたと語っている。ロクシン比外相によると、結局のところ米国による約束は「フィリピンは米国が守る」と明瞭である。 中国が歴史的観点から南シナ海ほぼ全域の領有権を主張する一方で、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナムも重複した権利を主張している。米国海軍は艦船を使って航行の自由(FON)作戦を繰り返し実施し、中国が占領する諸島近辺を監視している。...

ハノイでの首脳会談後、お互いの立場を交渉する米朝

FORUMスタッフ 北朝鮮の非核化に関する第2回米朝首脳会談は、合意に至ることなく2019年2月下旬に終了したが、政府関係者等とアナリスト等の間では次の交渉を催促する声が上がっている。 「会談の結果はそう悪くないと言い切る者も一部存在する。ジェラルド・サイブ(Gerald Seib)記者は、非核化の交渉は成立しなかったが、別の取引についてはまだ望みがある」と、2019年3月4日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙の記事で述べている。(写真:2019年2月28日、ベトナムで開催された北朝鮮の金正恩(Kim Jong-un)最高指導者との会談からの帰国途中、燃料補給のために立ち寄ったアラスカ州アンカレッジでエアフォースワンから降りる米国のドナルド・トランプ大統領) 首脳会談終了後、韓国の文在寅(Moon Jae-in)大統領は速やかに行動を起こした。 AP通信によると、同大統領は、「今回は決裂したとは言え、両国が話し合いを継続し、両首脳が再び会談して速やかに合意することを願っている」と、2019年3月4日に大統領官邸「青瓦台」で開催された会議の席で語っている。同大統領はまた、「その過程で当国の役割もまた重要なものとなってきた。米朝交渉は最終的には成立すると信じているとは言え、対話の停滞や行き詰まりが長期化することは全く望ましくない」と述べている。 同日遅く、米国のマイク・ポンペオ国務長官がアイオワ州農業局に対して、今後数週間のうちに米国から北朝鮮に代表団を派遣することを検討していると語っている。 同国務長官の発言によれば、「確定しているわけではないが、米国政権は今後も問題に取り組み、今後数週間のうちに北朝鮮政府に代表団を送ることを考えている」のである。 2018年に文在寅韓大統領は、トランプ米大統領が最初の首脳会談の計画を取り下げた5月、および同大統領が8月に予定されていたポンペオ米国務長官の平壌訪問を中止した後の9月の2回にわたって仲介者としての役割を務めている。 ベトナムのハノイで開催された第2回首脳会談の前、トランプ米大統領は北朝鮮の非核化については「急いでいない」と発言している。同大統領の優先事項は、北朝鮮政府の弾道ミサイルと核ミサイルの実験停止に関する交渉を確実に継続することである。アナリスト等は両者の条件の定義が一致していなかったことが交渉決裂の主要原因と分析している。短期的には残念な結果となったが、これにより新たに明瞭になった部分もある。...

疑問が残る中国の研究倫理

FORUMスタッフ 最近発生した事例により、中華人民共和国(中国)が国内外で実施している科学プロジェクトの説明責任にまた疑問が投げかけられることになった。 2018年11月下旬、中国の科学者、賀建奎(He Jiankui)博士(写真参照)は香港で開催された会議で、「CRISPR(クリスパー)」として知られる遺伝子編集技術を使用して遺伝情報を書き換えた嬰児が誕生したと発表した。これは、世界初の事例である。この双子の嬰児はゲノム編集受精卵を子宮内に戻した女性が11月上旬に出産したものであると、さまざまなメディアが報じている。 CRISPR技術は完成すれば生命を脅かす突然変異や病状の治療に使用できるが、しかしこれにより永久的に遺伝子プールが変更され、意図しないところで他の遺伝子に突然変異が生じるだけでなく、予測不可能な健康上・社会的影響が引き起こされる可能性がある。生殖補助手段としての受精卵ゲノム編集は大変な物議を醸しているだけでなく、米国を始めその他多くの国で法律により禁止されている。HIV(エイズウイルス)に感染しないように双子の遺伝子を書き換えた賀博士の試みは、従来の規範と保護を無視するものである。同博士による研究内容はまだ発表されておらず、他の研究者の査読による検証も行われていない状態で、これにより研究対象者以外の生命も危険に曝される可能性がある。 世界の科学者の多くは、同博士と中国の無責任な姿勢により、合法的な遺伝子編集研究が妨害されることを懸念している。同研究内容は「良心に照らして受け入れ難い…これは道徳的または倫理的に擁護できない人体実験である」と、ペンシルベニア大学の遺伝子編集専門家であるキラン・ムスヌル(Kiran Musunuru)博士はAP通信に語っている。 米国国立衛生研究所(NIH)長官、フランシス・コリンズ(Francis Collins)博士は、「こうした桁外れの科学的災難が広まれば、一般市民の怒りや恐怖、嫌悪が発生することはもっともであり、それにより疾患予防や治療を目的とした非常に有望な技術に影が投げかけられる」とニューヨーク・タイムズ紙に述べている。 ニュージーランドに所在するオタゴ大学の聶精保(Jing-Bao Nie)生命倫理学者は、いちかばちかの勝負となるような野心があったとしても「政府の後ろ盾なしには賀博士が単独で同研究を達成することはできなかったであろう」と、ボストン・グローブが開設したライフサイエンス・医学関連ニュースサイト「STAT(スタット)」で語っている。AP通信によると、中国ではクローニングは違法とされているが、遺伝子編集は禁止されていない。 中国政府は関与を否定しており、2019年1月には賀博士が中国広東省に所在する南方科技大学の研究職から解雇されたと発表されたが、関係文書によると、中華人民共和国科学技術部、深セン科学技術イノベーション委員会、当時の雇用主を含む少なくとも3つの中国政府機関が同博士の研究資金の供給を支援した可能性があると、2019年2月下旬にSTATが報じている。...

ビルマ、軍優先の憲法改正のための委員会設置

フランス通信社 2019年2月下旬、放火問題に関して強力な軍隊に初めて公然と抗議したアウンサンスーチー文民政治の提案に対して、ビルマでは軍起草の憲法改正を議論する委員会が設置された。 アウンサンスーチー率いる国民民主連盟(NLD)は2015年の総選挙で圧倒的な勝利を収めたとは言え、不安な軍隊との権限分割合意を強いられることになった。 2008年に制定された新憲法では、安保関連の省はすべて軍の統制下となり、各議院議席の4分の1は国軍司令官による指名枠となっている。 これにより軍隊は実質上あらゆる憲法改正に対する拒否権を行使できる。 アウンサンスーチー国民民主連盟は物議を醸す文書を改正することを誓約していた。 2020年の総選挙が迫る中、議会は、憲法改正を議論するための超党派的委員会を圧倒的賛成により設置した。 「全政党を含む」委員会設置の主な目的は「2008年憲法を改正するための法案を作成する」ことであると、国民民主連盟のタン・ハイン(Tun Hein)副議長兼委員長は議会に述べている。 委員会は国民民主連盟が45議席のうち18議席、軍が8議席を獲得し、残りが他の党の間で分けられことになると考えられる。 これまでのところ、議論で焦点を当てる具体的な改革、または委員会が提案を出した後の段階に関する詳細は示されていない。 委員会の存在により軍の政治的立場が脅かされることから、委員会の設置が最初に議論された2019年2月上旬、任命軍議員の一群が抗議運動を繰り広げている。...